埼玉県比企郡吉見町、岩山に200以上もの開いた異様な風景。

この横穴は、古墳時代の末期に作られた墓で、大正12年には国の史跡にも指定されています。

数カ所の横穴の中には天然記念物の「ヒカリゴケ」が自生しています。

自ら発光しているのではなく、ヒカリゴケの細胞が外部から入ってくる光を反射することで光っているように見えるのです。

岩山の麓にある大きめの穴は、百穴ではなく、戦時中にこの一帯に作られた地下軍需工場跡の一部。

直径3mほどの穴は水平に縦横に碁盤の目状に張り巡らされています。

第二次世界大戦末期、各地の軍事施設は米軍の爆撃機により壊滅的な被害を受けたことから、空襲から逃れつつ軍用品を製造するために考えられたのが地下工場の構築で、当時、国内最大規模と言われた中島飛行機株式会社の大宮工場(現在の富士重工)のエンジン製造部門の全施設をこの地下に移設することとなりました。

短期間で工場を作るため、3000人以上もの朝鮮人労働者が穴を掘るための労働力として、全国各地から集められ、昼夜を通した工事が行われました。
そして昭和20年7月頃に地下工場は完成はしたものの、本格的な製造段階に入る前に終戦となりました。

現在は、点検・調査のため、2018年6月より地下軍需工場跡内の立ち入りができず、格子越しに見るしかできません。