フェリーおおさかIIは、先代「フェリーおおさか」の代替船として、2015年9月に大阪南港~新門司港間に就航した名門大洋フェリー株式会社のフェリーで「フェリーきたきゅうしゅうII」は姉妹船になります。
同社フェリーは大阪南港と新門司港からそれぞれ1日2便ずつ出ており、1便には就航が古い船(フェリーきょうとII、フェリーふくおかII)が、2便には新しい船(フェリーおおさかII、フェリーきたきゅうしゅうII)が配船されています。
同社従来船にはない女性向けのパウダールームや授乳室、キッズルームが新設されていること、客室と同じ階層に車両甲板を設置しバリアフリー化されていることが特徴。
フェリーきょうとIIやふくおかIIよりもさらにエコノミークラスの部屋が減り、ツーリストや個室が増えた一方で、フェリーきょうとIIやふくおかIIにあった上等級客室の利用者向けレストコーナーが廃止されていたり、展望ストリートが展望コーナーに名前を変えて大幅縮小、とパブリックスペースが縮小されています。一人用個室を利用するならこの船を、他の個室や相部屋を利用するのなら1便のフェリーきょうとII、ふくおかIIの利用をおすすめします。(2015年乗船)
客室は、スイート(特別室)、デラックス(特等室)、ファースト(1等洋室・和室、和洋室)、ファーストS、ツーリスト(2等洋室)、エコノミー(2等和室)の6クラス。繁忙期や多客期には、トラック運転手向けのドライバーズルームがツーリストSとして販売されることもあるようです。個室のドアキーは、カード式ではなく昔ながらの金属製の鍵が使われています。
ファーストSの洗面設備は、他フェリー会社の同等クラスの部屋にはないもの。ないと困るわけではありませんが、あると便利なもの。
個室の部屋面積は、いずれもフェリーきょうとIIやふくおかIIより少し広くなっていますが、寝て起きたら目的地に着くくらいのダイヤなので、ファーストSやツーリストクラスでも十分過ごせると思います。
エコノミー | ツーリスト1 | ツーリスト2 |
ファーストS | ファーストSの洗面台 | デラックス |
レストランは、夕食・朝食ともバイキング形式。長時間居座る人がいるのか、フェリーでは珍しい90分の時間制限付きになっています。夕食を食べると朝の軽食サービスが付くキャンペーンが開催されていることもある模様。
売店は小さめで、案内所の乗務員がレジを兼務する方式。
自販機コーナーには飲料のほか、冷凍食品やカップ麺も売っており、立ち食い用のテーブル、テーブル下にはゴミ箱、残り汁を捨てるシンク等機能的に配置されています。
レストラン | 売店 | 自販機コーナー |
展望浴場は同規模の他社フェリーと比べると小さめ。靴箱、脱衣所とも100円返却式のロッカー形式で置いたものを施錠保管できるようになっています。
シャワールームのほうは、出港から到着まですべての時間で利用が可能。ボディソープ、シャンプー、ドライヤーも備わります。
展望浴場 | 脱衣所 | シャワールーム |
エントランスロビーの椅子は背もたれがなくなり、フェリーきょうとIIやふくおかIIからグレードダウン。写真右方向の壁側を簡易ステージとするイベントが開催されることもあるようです。
展望コーナーは、ゆったり腰掛けながら外の景色が眺められるスペース。フェリーきょうとIIやふくおかIIの展望ストリートと比べると大幅縮小されています。背後の壁を挟んで客室がある構造に問題があったとかでしょうか。
レストランの反対側にあるバーカウンター風のプロムナードは背もたれがない簡易的な椅子が使われています。
他に、昔のフェリーでよく見かけたちょっと懐かしい雰囲気のテレビラウンジもあります。
エントランスロビー | 展望コーナー | プロムナード |
テレビラウンジ | キッズルーム | 車両甲板の向こうは客室 |
全長 | 183m |
全幅 | 27m |
総トン数 | 14,920t |
旅客定員 | 713名 |
車両積載台数 | 乗用車146台、トラック105台 |
造船所 | 三菱重工業下関造船所 |