晩秋の北海道を旅していると、白い綿埃のような虫が漂うようにゆっくりと飛んでいるものを見かけることがあります。
ふわりふわりと落ちるように飛ぶ姿はまるで雪が舞っているよう。

雪虫11

この虫は「トドノネオオワタムシ」という、葉や根の汁液を吸うアブラムシの仲間。
春から夏にかけてトドマツの木の根に寄生している雪虫が卵を産むため、晩秋にヤチダモの木に移動するときに見られるのがこの光景なのです。



おしりの部分に付いている白い綿のようなものは体から分泌された蝋状の物質で、この虫が飛んでいるのが見られると近いうちに初雪が降ることから「雪虫」と呼ばれています。

テレビのCMや街のイルミネーションを見ることによってではなく、自然界にいる虫によって冬の訪れを知れるなんて北海道らしいですね。

調べてみると、北海道以外でもこの虫の仲間を見ることができるそうです。街にいると、そういうものに目を向ける心の余裕がなくなってしまうのでしょうか。