晩秋の北海道を旅していると、白い綿埃のような虫が漂うようにゆっくりと飛んでいるのを見かけることがあります。
ふわりふわりと落ちるように飛ぶ姿はまるで雪が舞っているよう。
この虫が飛んでいるのが見られると近いうちに初雪が降ることから「雪虫」と呼ばれています。
正式名称は「トドノネオオワタムシ」という、葉や根の汁液を吸うアブラムシの仲間。
春から夏にかけてトドマツの木の根に寄生している雪虫が卵を産むため、晩秋にヤチダモの木に移動するときに見られるのがこの光景なのです。
おしりの部分に白い綿のようなものが付いていますが、これは体から分泌された蝋状の物質なのだそうです。
テレビのCMや街のイルミネーションを見ることによってではなく、自然界の虫によって冬の訪れを知るなんて北海道らしい…と思っていたら、北海道以外でもこの虫の仲間を見ることができるそうです。
街にいると、そういうものに目を向ける心の余裕がなくなるのでしょうか。
※2つ目の画像はタケさん提供