夏から秋にかけて北海道を旅していると、広大な牧草地にロールケーキのような牧草の塊が転がっている風景をあちこちで見かけます。
この牧草ロール「ロールベール」は、1つの大きさが直径約1.5m、重さが約350kgもあり、1年を通して牛たちの餌となるものです。

牧草地に転がる牧草ロール。黒いビニールに包まれています。

牧草ロールの元になる牧草は、トラクターで刈り取られてから1~2日間、牧草地でそのまま天日乾燥されます。
乾燥が終わると、トラクターに牽引された「ロールべーラー」という農業機械を使って集められ、ある程度の量(大きさ、密度)が機械の中にたまると、ひもで巻かれてタマゴが産み落とされるように、ポコッと機械から牧草ロールが出てきます。

実際の作業風景。
細長い棒状にかき集められた牧草を、トラクターの後ろに繋いだ農業機械がどんどん食べていきます。

       

トラクターの動きが止まった。う…うまれる。

牧草ロールが生まれた。

乾草(干し草)としてそのまま牛たちの餌になるものもあれば、できあがった牧草ロールを白や黒のビニールで巻いて保存されるものもあります。ビニールで外気と遮断することによって、中の牧草を発酵させ「サイレージ」という餌を作っているのです。
人間の食べ物だと牛乳とヨーグルトの違いみたいな感じでしょうか。

牧草ロールのサイレージは「ロールベールラップサイレージ」と呼ばれます。

実際の作業風景。
トラクターに繋がれた農業機械を、転がっている牧草ロールの後ろに位置を合わせて停め、大きなアームを使って台の上に載せます。

機械の上で牧草ロールは縦に回転させられながら、中が見えなくなるまで水平方向にラップで巻かれていきます。

巻き終わると、牧草地にポイッと放たれます。

ロールベールラップサイレージのできあがり!

サイレージを作る施設としては、大きな煙突に帽子をかぶせたような形をしたサイロが古くから使われていました。
しかし、サイロを建造してサイレージを作るよりも、このラッピングした牧草ロールを作るほうが、労力もかからず、低コストで済むことから、日本ではサイロは使われなくなってきています。(2005年記、2011年、2017年、2020年更新)

意識してサイロを見ると、様々な形をしていることに気づきます。
北海道旅中で見かけたサイロたち。まずは煉瓦造りのもの。

 

三つ子サイロ。

珍しい四角形のサイロ。(積丹町)