英嶺山は知床半島の南側、羅臼町の中心街のすぐ近くにある標高521mの山です。2004年に地元の山岳会が登山道を開削し、登ることができるようになりました。
羅臼国後展望塔からみる英嶺山

 

登山口は町の高台にある羅臼中学校の校舎の裏にあります。学校の職員さんに許可を取って校内にバイクを駐車させてもらい登山口に向かいます。校舎の裏を歩くと授業中の大勢の学生たちと目が合う…..軽く会釈しながら登山口へ。入山ポストに置かれた登山届に記入しようとノートを開くと、私の前に記入したのは、なんと10日ほど前の日付。まだ名が知られていないからでしょうか。
中学校の校舎裏を通って登山口へ 林道跡

 

ゆるい傾斜の林道跡を登ると、少し急な道になり、膝丈くらいの熊笹の間を歩いていくと羅臼の街が見下ろせる台地上に出ます。淵のほうを歩き、ダケカンバの林をしばらく進むと四ツ倉沼に出ます。
羅臼の街を見下ろす ダケカンバの林の中を歩く

 

四ツ倉沼。エゾアカガエルの産卵地らしい

 

四ツ倉沼を過ぎると、山頂に向かってほぼ一直線に上り坂が続きます。登山者が少ないせいか、あちこちで登山道脇の背の高い笹が道を隠すように垂れていて歩きにくい。ダニの心配をしながら、かき分けるようにひたすら進みます。
最後にさらに急な斜面を右に巻くようにして登ると山頂に到着。
山頂手前の急登(上から撮影) 山頂と書かれた木札が生木に打ち付けられている

 

山頂部は木々が刈り払われ周囲360度が見渡せます。海の向こうには国後島、背後には知床連山が一望できます。国後島を見ながら昼食をとり、のんびり昼寝を…と思ったら、2日前の敏音知岳と同じように羽アリが飛び回っていてゆっくりできず…..早々に下山。(2006年)(登り:1時間20分、下り:50分)
 
国後島。すぐ近くでもロシアの領土だ
知床連山。しばらく待つも頂上は雲に隠れたまま、残念

 

※標高も低く、短時間で登れて景色もいい山ですが、登山者が非常に少ないこと、ヒグマの生息域であることから単独行は避けたほうがよいでしょう。