神威岬(かむいみさき)は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園内にある、積丹半島から日本海に突き出した断崖絶壁の岬です。
アイヌ語で「カムイ」は「神」を意味し、1996年に神恵内村への国道が開通するまでは知床に次ぐ最果ての地にある岬でした。

岬先端へ続く遊歩道の途中には、「女人禁制」の札が掲げられた門があります。
岬付近の海は航行の難所で、女性を船に乗せて通過しようとすると必ず海が荒れて沈没するというチャレンカ伝説もあり、1855年までは航海の安全のため、この門から先へは、女性が入ることが禁止されていました。この札はその歴史を伝えるものです。

門を抜けると視界が一気に広がります。
岬先端までは、尾根づたいにアップダウンのある遊歩道が整備されていて、眺望を楽しみながら岬まで歩くことができます。

両側の崖下に見下ろす「積丹ブルー」とも表現される青い海は、透明度が20mもあり、海の底まできれいに見えます。

岬先端近くにある神威岬灯台。
1888年に初点灯した灯台で、1960年に灯台が無人となるまでは「灯台守」と呼ばれる職員がその家族とともに常駐し、灯台の維持管理を行っていました。

駐車場から20~30分ほど歩き、灯台を越えると岬の先端に到着。
海抜80mほどある岬の先端からは、周囲300度を見渡せ、水平線が丸みを帯びいるのを見ることができます。

眼下に見える、海面から垂直に立つロウソクような細長い岩は「神威岩」。
岬先端部から見ると小さく見えますが、実際は40mもの高さがあり、胴回りも大きいところで50mもあるそうです。

それを支える海面上に現れる平らな部分は、五千坪ほどあることから「千畳岩」と呼ばれています。
かつては、近くのユースホステルで船に乗ってそこへ行くツアーもあったのだとか。

神威岬に灯台守が常駐していた当時は、この遊歩道はまだなく、海岸沿いの険しい道を通って灯台へ行き来していました。
灯台守の家族が荒波にさらわれる事故が発生することもあったことから、「念仏トンネル」と呼ばれる長さ約60mのトンネルが手掘りで造られました。

現在も旧道やトンネルは残っていますが、一部で崖崩れの恐れがあるとして通行止めになっています。(2002年、2010年訪問)