小野浦駅跡(愛知県)

名古屋鉄道(名鉄)知多新線の野間駅~内海駅間にある幻の駅。周辺の住宅地開発計画を見越して、新駅として建設が始められたものの、その後需要が見込めないことが判明、1980年に建設途中で中止され、以後40年近く放置されたままの未完成の駅です。
車一台がなんとか通れるような農道を進んだ何もない山林の中に人造物がぽつんとあるのはとても違和感があります。(2018年訪問)

階段国道(R339)(青森県)

青森県弘前市と青森県東津軽郡外ヶ浜町(旧・三厩村)間を結ぶ国道339号線には、道路が階段になっていて、国道なのに車もバイクも通れないという全国でも珍しい区間があります。
この区間があるのは竜飛崎で有名な竜飛集落で、その区間は階段となっていることから、階段国道と呼ばれています。幅わずか2mほどの階段を通れるのは人くらい。天気の良い日は津軽海峡の向こうに北海道が望めます。(2004年訪問)

龍泊ライン(青森県)

国道339号線は龍泊ラインとも呼ばれています。中里町(旧・小泊村)側から走っていくと、北海道の日本海側、積丹あたりの海岸線のような雰囲気があります。北海道ならひたすら海岸線が続くところですが、こちらは途中からうねうね道になって高度がぐんぐん上がっていきます。走りがいのある道を楽しみたいし、背後の風景も見たいしで走り続けるかバイクを止めて休憩するか悩むところ。登り切るとその先には山の上に立ち並ぶ発電用の大きな風車、そしてさらに先には竜飛崎灯台が見えてきます。目の前に広がる景色が次々に変わっていくので、走っていて飽きません。(2004年訪問)

松尾鉱山跡(岩手県)

八幡平アスピーテラインを岩手側に下っていくと麓にアパートが建ち並ぶ住宅街が見えてきます。が、街の雰囲気が何か違う、廃墟なのです。
ここは1914年に開山、最盛期には日本の3分の1の硫黄を採掘・精錬していたという松尾鉱山の鉱山労働者の住居跡。他の炭坑や鉱山と同様、海外からの輸入や石油精製過程で採れる回収硫黄の出現により1972年に倒産・閉山しました。
閉山後、坑道から流出する酸性水による北上川の汚染が問題になり、その対策として国と自治体は中和処理施設を建設しました。そのおかげで川は回復しました。しかし、源である汚水の流出はその後も続き、数十年経過した今も施設は稼働し続けています。(2003年訪問)

たつこ像(秋田県)

秋田県仙北市(旧・仙北郡田沢湖町)にある田沢湖は水深が423mと日本一の深さを誇る湖です。その湖の縁に立っているのがこのブロンズ像(金箔は表面のみ)で、名を「たつこ」さんと言い、「たつこ像伝説」にもなっている伝説の人です。湖の満水時には彼女の足が丁度湖面になるようになっているのだとか。(2002年訪問)

さざえ堂(福島県)

福島県会津若松市、白虎隊の墓があることで有名な飯盛山の麓にある仏堂。建物は2重の螺旋構造になっていて頂上部でそれらがつながっています。つまり、一方向から進んでいくと引き返すことなく、別の通路から出られるのです。建物の形がさざえに似ていることからこの名前が付いています。その珍しい構造から国の重要文化財にも指定されています。
この建物、どうしてこんな不思議な形をしているかと思ったら、昔は中央部に観音像が何十体も安置されていて、これを参拝に来るたくさんの人達が混雑することなくお参りできるように考えられたものなのだそうです。
ここで紹介しているものは福島県のものですが、東北から関東にかけてはこのような建物が他にもいくつかあるようです。(2004年訪問)

青木ヶ原樹海(山梨県)

山梨県南都留郡冨士河口湖町から鳴沢村にかけて樹海。ここには広大な原始林が残っていて天然記念物にも指定されています。地表の溶岩が固化してできた岩からは大昔に富士山の噴火があったこともうかがえます。
そのような所なのですが、一般的には毎年数十人の遺体が発見されるほどの自殺の名所として知られています。なんでも松本清張の小説「波の塔」で登場人物がこの地で自殺したことが影響しているとか。地元にとっては迷惑なことなのでしょうが、そういった現状がこの原始林を維持している面もあるのかもしれません。(2002年訪問)

松代象山地下壕(長野県)

長野県長野市にある地下壕。第2次世界大戦の末期、旧日本軍が本土決戦最後の拠点として、極秘のうちに大本営(天皇直属の最高機関)と政府をこの地に移すために掘ったものです。地上に各省庁が設置され、碁盤の目状に掘られたこの地下通路を通じて移動できるようになるはずでした。終戦までの9ヶ月の間、当時のお金で約2億円もの巨費が投じられ、大陸から強制連行された数千の朝鮮の人達によって徹夜で工事が進められましたが、途中で終戦になり、工事は中止になりました。この計画は極秘に行われていたものであったため、周辺の住んでいる人達はその存在を知りつつも、戦後しばらくの間は内緒にしていたのだとか。
現在、地下壕は一部が見学路となっているだけで他は放置されたまま。多くの犠牲を出してまで掘ったものなのだから、何か役に立つように使えないものでしょうか。(2006年訪問)

八方池(長野県)

長野県北安曇郡白馬村の八方尾根、標高2,060mにある池。雪によってずり落ちた土砂が堆積してできた池で、カエルやサンショウウオが住んでいます。
バイクや車の場合、黒菱林道を使うと途中の黒菱山荘まで登ることができるので、ゴンドラを利用料¥1600分を浮かせることができます。当時とても貧乏旅しかできなかった私は、そこから先の2本のリフト料金も惜しんで駐車場からひたすら歩いて池まで行きました。池までは1時間30分ほど。気象条件がよいときには向かいの白馬三山が水面に映るそうです。(1995年訪問)

日本の高さのはじまり(東京都)

日本の土地の高さは東京湾の平均海面を0メートルとして表されます。ここから24.414mの高さにあるのが憲政記念館(東京都千代田区)の近くにある日本水準原点で、日本のあらゆるものの高さはここを基点に計測されています。国土地理院が【測量の日】である6月3日に毎年開催しているイベントでは、その一環として普段は見ることのできないその原点が公開されます。(2004年訪問)

久地円筒分水(神奈川県)

神奈川県川崎市にある水利施設。昔はこの付近一帯は田んぼで、雨が少ないと作物に与える水が足りなくなり、農業をする人たちの間での紛争が絶えませんでした。そこで公平に水を送るために作られたのがこの施設です。
上流から流れてくる水を地下から通し、一旦円筒の中央から溢れさせ、仕切を付けた外側の円筒から方々に流すというもの。潤すための田んぼの面積とそれぞれの仕切の円周の長さを比例させることで均等に水が行き渡るという仕組みになっています。現在は、田んぼはなくなり、周辺は見渡す限り家やビルばかり。水不足で困ることはなくなりましたが、代わりなくなったものも…。(2006年訪問)

柿田川公園(静岡県)

静岡県駿東郡清水町にある公園。富士山に降った雨や雪解け水が地下を通って湧き出している所で、1日約100万トンも湧出(東洋一)する水は柿田川となり、途中で狩野川に合流し海へと流れていきます。
公園内は遊歩道が整備されていて、途中の展望台やあちこちで水が湧き出る様子や清水に生息する動植物を観察することができます。また、かつて製紙会社や紡績工場があった頃に使われていた井戸跡がそのまま残っており、そこからもこんこんと水が湧き出しています。その様子は北海道の神の子池のよう。交通量の多い国道1号線のすぐ側にこんなところがあるとは。(2005年訪問)

蓬莱橋(静岡県)

静岡県島田市を流れる大井川に架かる蓬莱(ほうらい)橋は、長さが896.5mもあり、世界一長い木橋としてギネスブックにも掲載されています。建造された当時(明治12年)はすべて木造でしたが、増水による被害をたびたび受けたため、現在は橋脚部分のみコンクリート製となっています。長さが1km近くもあるので橋の始まりに立って向こうをみても橋の終わりが見えません。対岸まで歩いていった人は、折り返すときにきっとため息がでることでしょう。
ここを訪れたのは冬、しかも風の強い日。当然のことながら橋の上は遮るものがないので、冷たい風は寒いを通り越して痛いという状態。さらに頻繁に吹く突風に追いやられて左にふらふら、右にふらふらとまっすぐ歩くこともできません。橋の端(洒落!?)には一応欄干はあるものの、高さが数十cmくらいしかなく、手すりにもならないので落っこちないよう歩くのが精一杯。寒さに耐えながら&橋から落ちないよう1km近く歩くのはスリル満点…..いえいえ、冬に行くのはちょっとおすすめできない所です。(2005年訪問)

石垣いちご(静岡県)

静岡県静岡市。石垣の間にいちごが植えられていて、太陽に温められた石垣の熱で保温することで収穫時期を早めるという仕組みで、日本だけでなく世界もびっくりさせた画期的な栽培方法なのです。
静岡市内の久能海岸沿いの山の斜面は、この石垣いちごを栽培するビニールハウスがびっしり並び、1~5月にかけていちご狩りが楽しめます。
道路沿いにはいちご狩りの観光農園が建ち並び、走る車に向けて呼び込みのお姉さん達がいちごの風船をブンブン振り回して一生懸命アピールしている姿は見ていて楽しいです。(2005年訪問)

サンドスキー場(静岡県)

静岡県下田市の外れ、田牛(とうじ)海岸にあるスキー場。雪のスキー場は全国に数え切れないほどありますが、砂のスキー場は数えるくらいしかないはず。このスキー場(というか砂の斜面)は、海からの強い風によって砂が吹き上げられて自然にできたもので、幅は100m、傾斜角30度、滑走距離は45mあります。ちびっこ達を中心にソリ滑りを楽しむ光景が見られます。斜面の終わりが波打ち際なので、勢いがつきすぎると海に飛び込んでいってしまいそう。近くの民宿等では有料でそりの貸し出しをしています。(2005年訪問)

龍宮窟(静岡県)

静岡県下田市のサンドスキー場の隣にある洞窟。洞窟といっても天井はなく、高さ30メートルの壁だけ。直径25mの円柱の中をくり抜いて、海側と陸側に1つずつ小さな出入口を付けたようなイメージ。
海側の出入口は入り江のようになっており、潮の状態によってはカヌーや小さな船でそのまま漕いで入ってこれそうです。周辺の複雑な海岸線をカヌーで海から眺めるのも楽しそう。
洞窟の縁の上部には円周に沿って遊歩道が整備されていて、洞窟の中を見下ろすことができます。この洞窟、どこかで見たような気が…..と思ったら、宮崎駿監督のアニメ「紅の豚」の主人公が隠れ家にしていた島の雰囲気。規模は小さいけれど、ひょっとしたら、ここがモデルだったりして。(2005年訪問)

日本一短いトンネル?(静岡県)

静岡県島田市、大井川鉄道の地名駅近くにある長さが11mしかないとても短いトンネル。鉄道が開通する前から、この上を生活物資を運ぶ索道が通っていて、下の鉄道に荷物が落ちないように作られたものなのだそうです。
案内板によると、日本一短いトンネルなんだとか…..うん!?よく見ると「日本一短いトンネル?」と後ろに「?」が付いているじゃありませんか。
調べてみると、現在の日本一はここではなく、昭和21年に完成した群馬県のJR吾妻線の樽沢トンネル(7.2m)でした。もしかすると、以前はここが日本一だったのかもしれませんね。その樽沢トンネルはダム建設によるJR吾妻線のルート変更が予定されていて、変更されると樽沢トンネルは使われなくなるそうです。近々こちらが真の日本一となりそうです。(2008年訪問)

千里浜なぎさドライブウェイ(石川県)

石川県の羽咋郡宝達志水町から羽咋市千里浜町まで続く幅50m、約8kmの波打ち際の砂浜の道路。砂のきめが細かく、それが海水を含んで堅く締まっているので、ふつうの車でも走ることができます。観光バスまでもが砂浜を走り抜けていく姿はちょっと異様。(2010年訪問)

美川県一の町(石川県)

石川県白山市(旧・石川郡美川町)にある看板。北陸道を走っていると「美川 県一の町」と書かれた看板(上りだと左手)が現れます。歌手の「美川憲一」さんとかけて美川町をアピールしようという作戦なのでしょうが、これを見た人は現在位置が美川町であって、かつ、それを宣伝しているものだとわかるのでしょうか?「憲」の字が間違っているじゃん~とか思って通り過ぎて行ってしまったりして。ちなみに美川さんの出身地は長野県長野市です。(2002年訪問)
この看板は、掲示している下水処理場の給水塔の老朽化や美川町の市町村合併に伴い、2010年12月に撤去されたため、現在は見ることができません。(2011年追記)