フェリーあざれあ、フェリーしらかばは1994年に新潟~苫小牧航路に就航した新日本海フェリー株式会社の姉妹船です。この船の一番の特徴はその大きさ。総トン数2万トン超と当時は日本最大のフェリーでした。

船内設備のレストラン、グリル、フォワードサロン、スポーツデッキ、大浴場等は従来船と同様ですが、「フェリーらいらっく」「フェリーらべんだあ」「ニューあかしあ」にあったラウンジが廃止され、シアタールームを新設、外部甲板にあったプールが廃止され、代わりにジャグジーが設けられています。上等級客室の利用客専用の浴室も廃止されています。

2002年に「ゆうかり」「らいらっく」の就航に伴い、両船とも敦賀~新潟~秋田~苫小牧航路の寄港便に配置換えされました。北海道へ行くための手段として考えると、寄港するため、直行便に比べると所要時間が長くなるデメリットしかありませんが、関西、東海在住の人も利用しやすくなり、東北へ行くには便利な航路でした。。(2002年、2003年、2004年乗船)

 
カフェラウンジは、午後は喫茶、夕方はビアレストラン、夜はバーラウンジとして営業されていたそうです。広いスペースで、営業時間外は開放され、良いくつろぎスペースでした。
船尾の外部甲板にあったプールの代わりにジャグジーが。周辺にあったデッキチェア等はなくなり、簡素化されています。ジャクジーの近くには水着で利用するサウナルームもありました。

案内所 レストラン 展望浴室
カフェラウンジ スポーツデッキ ジャグジー
船の前方の景色を眺められるフォワードサロンの階下には、喫煙室(スモーキングルーム)として同様のスペースがありました。
「フェリーらべんだあ」や「ニューあかしあ」では片側のみあったプロムナードが、左舷・右舷両側に設けられていました。左舷側にはオープンバーコーナーもありました。
ラウンジがなくなった代わりに、エントランスロビー部分がかなり広くなっています。売店やビデオルーム等に囲まれた中央にあるため、広いものの開放感はちょっと足りないものでした。

フォワードサロン プロムナード エントランスロビー
客室は、スイートルーム、特等室(洋室、和室)、1等室(洋室、和室、和洋室)、2等寝台、2等和室の5クラス。外部甲板は、前方以外の左右後方とも歩き回れるように通路が整備されているのですが、スイートルームを除き、客室(個室)の外も通路になっていて、カーテンを開けたら外を歩いている人と目が合ったりと、プライバシー面では配慮が足りない造りでした。

2等寝台 1等和室 客室横の通路
全長195.4m
全幅29.40m
総トン数20,554t(あ)、20,563t(し)
旅客定員926名
車両積載台数乗用車80台、トラック186台
造船所石川島播磨重工業東京工場
フェリーあざれあ、フェリーしらかば諸元
  • 2012年4月1日より、船室呼称が「特等室→デラックルームB」「1等室→ステートルームB」「2等寝台→ツーリストB」「2等和室→ツーリストJ」に変更されました。
  • 「らべんだあ(2代目)」「あざれあ(2代目)」の就航に伴い、「フェリーあざれあ」は、2017年3月に、「フェリーしらかば」は2017年6月に引退しました。