「らいらっく」は2002年、「ゆうかり」は2003年に就航した新日本海フェリー株式会社の姉妹船で、新潟港(新潟県)~小樽港(北海道)間を航路とし、国内長距離フェリーでは初めて交通バリアフリー法(現・バリアフリー新法)に対応した船です。
同社従来船と比べて、スイートルーム以外の上等級の客室にも専用テラスが設けられ、一方で個室の一部が外の景色が見えない船の内側に配置されています。造船所が異なるため、同社の他フェリーとパブリックスペースの配置が異なるのは特徴でもあります。
小樽~新潟航路の新潟港行きの便は、朝に小樽港を出港するため、積丹半島から奥尻島付近までの景色を船の上から眺められます。
食事ができる施設は、レストランとグリル、カフェの3つ。レストランは、料理が並ぶカウンターから好きなものをトレーに載せ、レジで精算するカフェテリア形式。グリルは予約制でコース料理が楽しめる高級食事処。カフェは、レストランより少し安めの価格設定の軽食が食べられる食事処で、レストランやグリルと営業時間が重ならないようになっています。
レストラン | グリル | カフェ |
レストランから船尾の外部甲板に出たところには、夏期限定で営業されるバーベキューガーデンのテーブルと椅子が並びます。外部甲板は屋根がないため、同社の高速フェリーと比べると開放感があります。
展望浴室は、浴槽が船のアウトサイドにあるため、湯に浸かりながら外の景色が眺められます。浴室内にはサウナも備え付けられています。また、展望浴室とは別にバリアフリー浴室も用意されていて、バリアフリートイレとともにバリアフリータイプの個室の近くに設置されています。
窓際にテーブルと椅子が並ぶ展望通路「プロムナード」は、同社従来船では船体の両側にありましたが、「ゆうかり」「らいらっく」から片側のみとなりました。
船首にあるくつろぎスペース「フォワードサロン」は、同社従来船より部屋が少し狭小化。夜間は外に光が漏れないよう、カーテンがかけられます。階下の同じ位置には、喫煙スペース「スモーキングルーム」もあります。
同社「フェリーあざれあ、しらかば」「すずらん、すいせん(初代)」にあったエントランスロビーも廃止されており、客室以外のくつろげる場所が縮小されています。
バーベキューガーデン | 外部甲板 | 展望浴場 |
フォワードサロン | ビデオシアター | プロムナード |
客室は、個室のスイートルーム、デラックスルーム(洋室、和室)、ステートルーム(洋室、和室、和洋室)、半個室のツーリストS、相部屋のツーリストA、Bの5クラス。
ステートルームのうち、ツインの洋室はインサイドルームで海は見えませんが、吹き抜け構造となっていて、外光が入りますし、外が見える分、太平洋フェリーの「いしかり」や「きそ」より条件は良いです。
ツーリストSは、同社フェリーでは初めて導入された初期型であるため、共用部との境はカーテンで仕切られ、ドアがないため、半個室的なものとなっています。ツーリストA・Bの約2倍以上の広さがあるので、バイクのパニアケース等荷物が多い方にはおすすめ。
ツーリストAの2段ベッドは、最近のフェリーのスタンダードとなっているセパレート式の2段ベッドのツーリストAと従来型2段ベッドのツーリストBの2種類が混在します。
ツーリストJ | ツーリストA | ツーリストB |
ツーリストS | 対向部屋間の目隠し板 | バリアフリールーム |
ステートルームツイン | ステートルーム4名部屋 | デラックスルームA |
パブリックスペースには、他にキッズルームや自販機コーナー、コインランドリー、ゲームコーナー、給湯室、ペットルーム、喫煙室等があります。
全長 | 199.9m |
全幅 | 26.5m |
総トン数 | 18,229t |
旅客定員 | 892名 |
車両積載台数 | 乗用車58台、トラック146台 |
造船所 | 石川島播磨重工業横浜工場 |
- 2012年4月1日より、船室呼称が「特等室A→デラックルームA」「特等室→デラックスルームB」「1等室→ステートルームB」「S寝台→ツーリストS」「2等寝台→ツーリストB」「2等和室→ツーリストJ」に変更されました。(2012年追記)
- 2017年年初の改造により、ツーリストSにテレビが設置され、22部屋あったツーリストJが1部屋のみとなり、上下段セパレートタイプベッドのツーリストAが新設されました。これに伴い、旅客定員が892名から846名に変更されました。(2017年追記)
- 2017年に「らいらっく」「ゆうかり」とも、新造船「らべんだあ」「あざれあ」の就航に伴い、敦賀~新潟~秋田~苫小牧航路に配置換えとなりました。(2018年追記)