にっぽん丸は商船三井客船株式会社のクルーズ客船です。荷物や車を目的地まで輸送するフェリーと違って乗るのは人のみ。船旅は、数ヶ月かけて世界一周するようなものもあることから、診療所や美容室、図書館といった、長距離フェリーにもない設備があります。
 
また、豪華と言われているフェリーの内装、設備と同程度の部分もありますが、全体として見るとやはりクルーズ客船だけあって数段上の質感、落ち着いた雰囲気があります。(2006年記)

プール・リドデッキ(左上)
フェリーのプールの数倍の大きさがあり、開閉式の屋根も付いていて、天候に左右されず快適に利用することができます。

ライブラリー(右上)図書館。週刊誌や漫画のようなものは置かれておらず、読んでいると眠くなってきそうな本が多いです。衛星通信を利用したインターネットの閲覧も可能ですが、利用料金は結構高いものとなっています。

スポーツデッキ(左下)
船尾の外部デッキ。相当な広さで床板は本物の木が使われています。フェリーの鉄板とは大きく違うところ。

フォワードラウンジ(右下)
フェリーでいうフォワードサロン。ここはクルーズ客船らしくない簡易な椅子が並んでいました。

ダイニングルーム
朝、昼、晩の食事をとる場所。日本国籍の豪華客船はにっぽん丸のほかに「ぱしふぃっくびいなす」「飛鳥2」がありますが、料理はにっぽん丸の評価が最も高いそうです。
 
ミッドシップバー
お酒と会話、雰囲気を楽しむ場。船首にもこれとは別にバーもあります。
 
自販機コーナー
清涼飲料、ビール、たばこ、フィルムの自販機が設置されている。清涼飲料(350ml)の価格は¥150と陸上価格よりも高い。ユーティリティルーム温水・製氷機が設置されています。
 
フェリーでいう給湯室
クルーズ客船のツアーは食事付きなので、さすがにインスタントラーメンを作るために利用するような人はいないのでしょうね。
 

ドルフィンホール・ラウンジ
吹き抜けになっていて、1階がダンスホール、2階がラウンジとなっています。他に小さな映画館のようなシアタールームもあります。客室に対するパブリックスペースの面積がクルーズ客船とフェリーでは大きく違います。

ラウンジ
もう一つのラウンジ。「梅」という名前が付いている。おばあさんの名前のよう。

カジノ
日本国籍の船の場合はお金をかけることはできないので、疑似カジノで雰囲気を楽しむ場所。

ブティック
日用品や土産物が買える、フェリーで言う売店。航海中は乗船証を提示してすべて付けにして、下船時に現金かクレジットカードで支払いをする仕組みになっています。

スイートルーム(左上、右上)
最上級クラスの部屋。面積は40㎡で寝室とデイルームの2つに分かれる。こちらの部屋を利用すると旅行代金が3倍ほど跳ね上がる。

デラックスルーム
中間クラスの部屋で面積は19㎡、定員2名。ユニットバスが付き、トイレがウォシュレットになります。

ステートルーム
標準的な部屋。フェリーのような相部屋はなくすべて個室。このクラスでもホテルの部屋くらいの質感。部屋の面積は14㎡でこれを2~3名で利用します。

展望大浴場、洗い場(左上、右上)
海を見ながら浴槽に浸かることができます。質感はフェリーと同じレベル。

ランドリールーム
長い船旅だと洗濯しないわけにはいきません。フェリーと違って洗濯機と乾燥機は無料で利用できます。もちろん、洗剤も無料。アイロンがけができるようアイロン設備も備え付けられています。セルフが面倒な人には有料のランドリーサービスもあります。

フィットネスコーナー
健康器具が置かれている部屋。たっぷり食べる割には運動する機会のあまりない船旅では運動は必須。もっとも、クルーズ客船の旅だと、様々なイベントが頻繁に開催されるので、そちらに参加していれば利用する機会は少ないかもしれません。

全長166.65m
全幅24m
総トン数21,903t
旅客定員607名
造船所三菱重工業神戸造船所
にっぽん丸諸元
  • にっぽん丸は、2010年に大改装が行われており、ここで紹介している内容から変更されている部分があります。また、船体のカラーリングも変更されています。(2017年追記)