「さんふらわあふらの(初代)」は、今はない東日本フェリー株式会社が「へすていあ」の船名で1993年に室蘭(北海道)~大洗(茨城県)航路に就航させた船で、2002年に商船三井フェリー株式会社との共同運航による大洗~苫小牧航路が開設されたことに伴い、同航路に配置換えとなりました。その後、2007年に「さんふらわあふらの」に改名され、大洗~苫小牧航路の夕方便として、新造船「さんふらわあふらの(2代目)」に交代する2017年まで同航路で運航されていました。
同じ夕方便の「さんふらわあさっぽろ」とは姉妹船ではなく、東日本フェリー株式会社の岩内・室蘭~直江津航路で使用されていた「はあきゆり」「へるめす」がそれにあたります。
大洗港は、関東圏からフェリーを利用して北海道へ行くには最も近い発着港なのですが、発着時刻や港までの交通費等を考えると他社の北海道航路のフェリーを利用する場合とそれほど変わらず、それでいて船体が古いため割高感がありました。(2016年乗船)
レストランは、天井が高く、装飾にも力が入ったもの。食事はバイキング形式で、スイートルーム利用客には予約席が窓際に用意されていました。ランチタイムは、喫茶のみの利用もできる形態にしていたのは良い運用形態だと思います。最上階にある展望ラウンジは、どっしりと腰掛けられるソファやオットマン付きのリクライニングシート、マッサージ機等が海側に向けて並べられ、海を眺めながらくつろげるスペースでした。奥のカウンターは、かつてカフェ・バーとして使われていた頃の名残です。
案内所 | シアタールーム | 外部甲板 |
レストラン | ドライバーズレストラン | ラウンジ。 |
浴室は、脱衣所とも広く、浴室にはサウナが付いていました。脱衣所の奥あるのは、デッキチェアが並べられたサンルーム。
ミーティングルームは、絨毯敷きの大広間で、往年は、端の部分はソファが並ぶくつろぎスペース、キッズルームとなっていました。
浴室 | 脱衣所 | ミーティングルーム |
客室は、スイートルーム、デラックスルーム、スタンダードルーム(洋室、和洋室、和室)、カジュアルルーム、エコノミールームの5クラス。間接照明が多く使われているのもこの船の特徴です。スタンダードルームは洗面所のみで、後継の「さんふらわあふらの(2代目)」のようなトイレやシャワールームはありませんが、そのぶん、室内は広いものとなっていました。
スタンダードルーム入口 | スタンダードルーム(和洋室) | スタンダードルームのベッド |
全長 | 192m |
全幅 | 27m |
総トン数 | 13,539t |
旅客定員 | 705名 |
車両積載台数 | 乗用車100台、トラック180台 |
造船所 | 三菱重工業下関造船所 |
- 「さんふらわあふらの(初代)」は、2017年5月に新造船「さんふらわあふらの(2代目)」の就航に伴い引退しました。
- ブログの以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
・商船三井フェリー さんふらわあふらの(その1)
・商船三井フェリー さんふらわあふらの(その2)
・商船三井フェリー さんふらわあふらの(その3)