「さんふらわあごーるど」、「さんふらわあぱーる」は、今はない株式会社ダイヤモンドフェリーの「フェリーダイヤモンド」、「スターダイヤモンド」の代替船として、それぞれ2007年11月、2008年1月に神戸~大分航路に就航したフェリーで、2011年以降は、同社と関西汽船を吸収合併した商船三井フェリー株式会社の子会社である株式会社フェリーさんふらわあが、運航を引き継いでいます。

フェリーダイヤモンド等と比べ、船体が大型化され、旅客定員の6割以上を個室化するとともに、パブリックスペースを拡張することで居住性を向上させているのが特徴。また、さんふらわあシリーズでは初のプライベートデッキ付き客室やペットと一緒に過ごせるウィズペットルームが導入され、船内のバリアフリー化も行われています。

「さんふらわあごーるど」「さんふらわあぱーる」は、大阪南港を発着する別府行きの「さんふらわああいぼり」「さんふらわあこばると」と比べると、船体が新しく、快適に過ごせますが、最寄り駅から港へのアクセスが良くなく、徒歩客からするとどちらの航路を選ぶか悩むところ。2022年に予定されている大阪~別府航路への新造船導入により、人の流れに変化が出るかもしれません。(2012年以降度々乗船)

客室は、個室タイプのデラックス、スタンダード、プライベートベッド、ツーリストの5クラス。
ツーリストは、昔ながらの雑魚寝する最安クラスの客室。利用エリアは指定制で、マットレス、キルケット、枕、ハンガーの備品が備わります。貴重品は、パブリックスペースにある貴重品ロッカーに保管するとよいでしょう。

プライベートベッドは、2016年2月にツーリストクラスの一部を改修して設けられたもので、ツーリストとスタンダードとの中間クラスにあたります。テレビ、個別照明、電源コンセント 、ハンガー、棚、鏡等が備わるカプセルルームで、大阪~志布志航路の「さんふらわあさつま」「さんふらわあきりしま」のプライベートベッドや、商船三井フェリー「さんふらわあふらの」「さんふらわさっぽろ」のコンフォートと同じもの。

ステートルームは、アウトサイドの4名定員部屋、インサイドの2名定員部屋、2~1名部屋、ペットと一緒に過ごせるアウトサイド4名定員、インサイド2名定員のウィズペットルームと多種類。一般室は絨毯敷き、ウィズペットルームはフローリングで他は同じ内容。どれもテレビ、洗面台、二段ベッド、ハンガー、浴衣が備わり、タオル・歯ブラシの備品も付いています。

4名部屋は靴を脱いで過ごせるのが良いところ。キャラクタールームの設定もあります。キャラクター仕様のカーテンや枕カバー、フロアマット、座布団、ぬいぐるみ、コップ等が使われた部屋で、くまモンだらけの「くまモンと夢見る船旅ルーム」、同じくハローキティの「「ハローキティルーム」の2種類。合計3室と少ないものの、通常スタンダード4名部屋の料金プラスアルファで利用することができます。

ツーリスト スタンダード(1~2名部屋) スタンダード(2名部屋)
スタンダード(2名部屋) スタンダード(4名部屋) スタンダード(4名部屋)
くまモンルーム くまモンルーム ウィズペットルーム

デラックスルームは、ステートルームの約2倍の広さがあり、ユニットバス、トイレ、冷蔵庫洗面台、テレビ、ドライヤー等が備わります。プライベートテラスは、木が敷かれたウッドデッキ風で、テーブルとデッキチェアが置かれています。テラスは船の側面より内側に配置されているため、近くの海は見えません。

 
プライベートデッキ デラックスルーム1 デラックスルーム

レストランは、ダイヤモンドシリーズでは、厨房前に並んだ料理から好きなものをとって精算するカフェテリア形式でしたが、この船では夕食・朝食ともバイキング形式に変わっています。またレストランの位置も右舷から船尾にかけてのアウトサイドに変わり、外の景色を眺めながら食事が楽しめるようになりました。もらった割引券を使って利用したところ、内容・質とも良かったです。船内には売店もあり、土産物だけでなく、軽食やアルコール、ノンアルコール飲料、おつまみ等が販売されています。また、自販機コーナーではカップヌードルや冷凍食品も販売されているので、各自の旅のスタイルに合わせて利用できます。

レストラン 自販機コーナー 売店

展望浴場は、湯に浸かりながら外の景色が眺められる浴室。脱衣所には脱衣も収納できる100円返却式のコインロッカーやドライヤーがあり、浴室にはボディシャンプー、シャンプー、コンディショナーもあり、タオル一つ持っていけば足ります。ダイヤモンドシリーズと比べて、浴槽と洗い場の段差が縮小、手すりも備え付けられバリアフリー化し、浴槽と洗い場の間も広くとられています。また、展望浴場とは別にシャワー室もあり、そちらは浴室と違って、こちらは24時間利用が可能です。

浴室 脱衣所 シャワールーム
客室以外のくつろげるスペースとして、プロムナードやサロンのレストスペース、外部甲板の展望デッキ等があります。エントランスホールからレストランにかけての通路は、プロムナード(展望通路)となっていて、通路幅が広く、窓際にはソファやテーブル、椅子が置かれていて、のんびりくつろげます。乗船時と食事が終わる時間帯にはプロムナード前で、プロのミュージシャンによる演奏や大道芸等のイベントが開催されます。出港時のテープ投げや銅鑼の可視化等、あちこちに船旅を楽しませる工夫が感じられて良いです。他フェリー会社も見習ってほしいところ。外部甲板は24時間出入りが可能で、ウッドチェアが置かれ、明るい時間帯は瀬戸内の景色を眺めながらくつろげます。

 

 
船内イベント プロムナード サロン
給湯室 展望デッキ ドライバーズサロン

このほか、ちびっ子を遊ばせておけるキッズルームやゲームコーナー、マッサージ機コーナー、コインロッカーー(有料)、多目的トイレ等の設備があります。

全長165.5m
全幅27.0m
総トン数11,178t
旅客定員748名
車両積載台数トラック147台、乗用車75台
造船所三菱重工業下関造船所
さんふらわあごーるど、ぱーる諸元
  • 2015年3月より、船内のwifi環境が整備され、客室、ドライバーズルーム、パブリックスペースで無料で利用できようになりました。
  • 2016年2月にツーリストクラスの一部が改修され、スタンダードとの中間クラスにあたる「プライベートベッド」が新設されました。