さんふらわあさつま、きりしまは、1993年、株式会社ブルーハイウェイライン西日本だった頃に就航したフェリーで、大阪南港~志布志港を航路とする姉妹船(同型船)です。1990年代に一時期、東京~大洗~苫小牧間を運航していたので、関東方面で乗った記憶のある方もいるかもしれません。

 
バブル崩壊後に就航した船ですが、フルコースの高級料理が味わえる予約制のグリルやダンスパーティーが開催されるラウンジ、船首に展望サロン、畳敷きの宴会場、スナックやバー、カラオケスタジオ、カードルームといった、豪華フェリーと言われる類の船と同等かそれ以上の設備が備わっています。
 
しかし、ラウンジや展望サロン、宴会場等の広いスペースは、現在はツーリストクラスの客室として使われ、他の設備は閉鎖されていて、この船本来の魅力を引き出さない運用がされているのは残念なところ。結果、パブリックスペースでくつろげる場所がエントランスホール周りに置かれたテーブル付きの椅子くらいしかありませんでした。(2003年、2012年乗船)
 
レストランは夕食・朝食ともバイキング形式。左右、後方の3面オーシャンビューの配置。展望浴場は、最近の船と比べても遜色ない広めの浴槽が使われています。奥にはサウナもあります。
 
レストラン 展望浴場 外部甲板

徒歩客の乗下船口が低い位置にあり、そこから客室のあるフロアまでトラック用の車両甲板2階層分を一気に抜けて上がるため、エスカレータはとても長く、それが船の特徴にもなっています。

エントランスホール 長いエスカレータ 廃止された船首の展望サロン

客室は、デラックス、デラックスB、ファースト、ファーストシングル、ツーリストベッド、ツーリストの4クラス。ツーリストベッドは、梯子付きの昔ながらの二段ベッド。通路を挟んだベッドの向こうは壁になっていて、ベッド同士が向かい合うことがなく、他の視線を気にならなくて良いです。また、ファーストシングルは、窓のないインサイドに配置される船が多いですが、この船は窓側に配置されていて、最近の船のシングルルームよりも広いものとなっています。

ツーリスト ツーリストベッド ファーストシングル
全長186m
全幅25.5m
総トン数12,415t
旅客定員782名
車両積載台数乗用車140台、トラック175台
造船所三菱重工業下関造船所
さんふらわあ さつま、きりしま要目
  • 2018年4月に「さんふらわあ さつま」は「さんふらわあ さつま1」に船名が変更されました。
  • 2018年5月に新造船「さんふらわあ さつま」の就航に伴い、大阪南港~志布志航路を引退しました。その後、機関故障のため長期運休の「さんふらわあぱーる」の代替として「さんふらわあ さつま1」の船名で8月26日までの間、神戸~別府間を臨時運航した後に引退しました。
  • 2018年9月18日に「さんふらわあ きりしま」は「さんふらわあ きりしま1」に船名が変更されました。
  • 「さんふらわあ きりしま1」は新造船「さんふらわあ さつま」が船体整備のためドック入りしていた2018年10月2日から10月31日までの間、代船として一時期、大阪南港~志布志港間を運航し、引退しました。