「きたかみ」は、1989年に就航した仙台~苫小牧間を航路とする太平洋フェリー株式会社のフェリーです。毎日開かれる夜のラウンジショー等、変わらず旅客サービスを行っているのがこの会社のフェリーの特徴で、船内は年配の団体ツアー客でいつも賑わっています。
就航から30年近くが経過しており、2005年の船内改装や乗船料金の割引を行っているものの、同じ仙台~苫小牧航路を隔日運航する「きそ」「いしかり」との格差を感じます。
また、船内の分煙の取り組みが進んでおらず、客室(個室)は全室喫煙可能で、パブリックスペースの一部の喫煙スペースには扉がなく、客室、パブリックスペースとも煙草臭いのが気になりました。乗組員によると「利用者ニーズに応えるため」とのことですが、今はそんな時代ではないです。2019年に就航する新造船は、カジュアルフェリー型になるような情報もありますが、分煙の取り組みは最低限しっかり行ってもらいたいですね。(2004年、2016年乗船)
かつてあった和風レストランやバーは廃止され、レストランとスタンドのみの営業となっています。写真のスタンドは改装前のもので、改装後はバリアフリー化され、軽食の提供もなくなり、ソフトドリンクとアルコール類の取扱いのみとなっています。代わりに冷凍食品の自販機やカップ麺の自販機が設置されています。
案内所 | レストラン | 展望浴場 |
ミニシアター | スタンド | オープンスカイホール |
船の進む前方が眺められる展望室は、太平洋フェリーではこの「きたかみ」しかない設備。「きそ」や「いしかり」ではこの部分はスイートルームが配置されています。太平洋フェリーこだわりのラウンジでは、夜に無料のラウンジショーが開催されていました。演奏される曲は高年齢層向けのものが中心。
展望室 | プロムナード | ラウンジ |
客室は、スイートルーム、特等室、1等室、A寝台、B寝台、2等和室の6クラス。スイートルームを除き、個室はブラウン管方式のテレビが使われています。洗面所には、レトロなホース式のドライヤーが備え付けられていました。
B等寝台 | 1等洋室 | 1等和洋室 |
特等室 | スイートルーム | スイートルーム |
全長 | 192.5m |
全幅 | 27.0m |
総トン数 | 13,937t |
旅客定員 | 792名 |
車両積載台数 | 乗用車150台、トラック176台 |
造船所 | 三菱重工業下関造船所 |
- きたかみ(初代)は、2019年1月にきたかみ(2代目)の苫小牧~仙台航路への就航に伴い引退しました。