「さんふらわあつくば」は、1998年に「さんふらわあ(初代)」の代替船として大洗(茨城県)~苫小牧(北海道)航路に就航したフェリーで、就航当時は東日本フェリー株式会社と商船三井フェリー株式会社によって共同運航されていました。
同じ深夜便の「さんふらわあ みと」の改良版として、全長、全幅を拡大することにより、車両積載台数が増加。一方で旅客定員を抑えられ、夕方便にはない船首のくつろぎスペース「ラウンジ」が設けらています。
「さんふらわあつくば」は、2007年に「さんふらわあみと」とともに、博多~直江津~室蘭航路に使用されていたリベラ株式会社の「ニューれいんぼうべる」「ニューれいんぼうべる」との交換により、大洗~苫小牧航路から引退しました。
商船三井フェリーの深夜便は、首都圏からだと、仕事が終わった後に出発しても出航に間に合い、北海道旅の帰路に利用すると、現地滞在時間が増えるのが利点です。
レストランは、2005年より3食セットメニューのみの提供となり、他は冷凍食品を自販機で購入し、各自で電子レンジで加熱して食べる形態のイートインフロア化されました。夜間を除き、常時開放されるフロアは、くつろぐ場所としても利用できるので良い変更だったかもしれません。
浴室は、同クラスの船と比べると広くはありませんでしたがサウナ付きでした。夕方便と比べて旅客定員が少ないため、この規模でも対応できたようです。
ラウンジ | レストスペース | エントランスホール |
レストラン | 展望浴場 | 外部甲板 |
客室は、特等、1等A、2等寝台の3クラス。雑魚寝タイプの2等和室は、就航時はありましたが、2003年に2等寝台に改装されたため、この船では2等寝台が最安クラスでした。2等寝台は、梯子付きの昔ながらの二段ベッドタイプ。ただし、通路を挟んだベッドの向こうは壁になっていて、ベッド同士が向かい合うことがないため、他の視線が気にならない点は良いところでした。
2等寝台 | 1等A | 特等 |
全長 | 192m |
全幅 | 27m |
総トン数 | 12,325t |
旅客定員 | 342名 |
車両積載台数 | 乗用車111台、トラック216台 |
造船所 | 三菱重工業下関造船所 |
- 2006年の大洗~苫小牧航路引退後は、博多~直江津~室蘭航路に復帰する計画でしたが、実現することなくギリシャの船会社に売却されることとなりました。旅客フェリー「ELYROS」として活躍しています。(2011年追記)
- 2007年4月1日より、船室呼称が「特等室→デラックスルーム」「一等室→スタンダードルーム」「二等寝台→カジュアルルーム」に変更となりました。