貝山地下壕は、神奈川県横須賀市にある貝山緑地の地下に残る壕で、太平洋戦争中に旧日本海軍の横須賀海軍航空隊の地下施設として掘削されました。
2011年(平成23年)の東日本大震災時に一部の崩落があり、しばらく立入禁止となっていましたが、2020年度に壕内の安全対策が行われ、2021年10月よりガイド付き限定での一般公開が再開されています。
2016年(平成28年)に撮影された航空写真で見ると、左上が追浜駅で、右中央の緑の部分が貝山緑地になります。
出典:国土地理院Webサイト(当該ページのURL)
太平洋戦争末期、米軍が1944年(昭和19年)7月にマリアナ諸島島を占領したことにより、Bー29爆撃機による日本本土全域への空襲が可能となったことから、これに備えるため、軍用機を格納する掩体壕の建設や軍用施設の地下化が進められました。
貝山地下壕もその一つで、多層構造をしており、下層のA地区・B地区と上層の上部坑道からなり、このうちのB地区の一部が公開されています。
出典:貝山地下壕見学の手引き(発行:NPO法人アクションおっぱま)
横須賀市の管理地であり、普段は入口は施錠され一般の立ち入りが禁止されています。
B地区への入口。
ドアは枠の金属部分のみがかろうじて残っています。
地下壕内の通路。幅5m、高さ5~7mあり、地面の両脇に排水用の溝が掘られています。
所々に通路から横方向に掘られた部屋のような空間があります。
倉庫や会議室として使用されものだと推測されています。
入口にコンクリートが敷かれた区画は特別な部屋だったそう。
壕内での生活に使用されたと推測される「かまど」。
かまどの右手に続く排煙のためのダクト。
壁伝いに配管されているのが確認できます。
近くにある水槽。
B地区入口の隣にある開口部が大きな壕は軍用機を格納する掩体壕と推測されています。
貝山緑地南側に6つ並ぶ壕は燃料貯蔵タンクを格納するためのもの。
2021年11月現在、以下のNPO法人が横須賀市認定ガイドとして貝山地下壕のガイドツアーを開催しています。
・よこすかシティガイド
・アクションおっぱま