紋別市街から鴻之舞鉱山跡へ行く途中にある上藻別駅逓所跡へ立ち寄り。

駅逓とは、北海道が本格的に開拓された明治時代に整備された、入植者や旅行者のために宿泊できる場所を提供したり、所有する人馬で次の駅逓まで荷物を運んだり、郵便物の取り次ぎを行う制度で、これらを行っていた施設が駅逓所です。

ピーク時には、600以上もの駅逓所が道内にありましたが、鉄道開通による交通手段の整備に伴い、役割を終えて閉鎖が進み、1948年(昭和22年)には制度自体が廃止されました。

上藻別駅逓所は、現存する数少ない駅逓所跡の一つで、住友金属鉱山株式会社によって鴻之舞鉱山と紋別市街の中継点として1926年(大正15年)に官設の駅逓所として建てられたもので、1940年(昭和15年)に駅逓業務を廃止した後は、駅逓取扱人が高地旅館の名で1949年(昭和24年)まで宿泊施設として営業しました。

その後、鴻之舞鉱山の元関係者が有志で集い「上藻別駅逓所保存会」を立ち上げ、駅逓所を復元。
2005年(平成17年)より郷土資料館として開館しました。

館内には、駅逓所に関する資料以外にも、昔懐かしい生活用品や農機具、鴻之舞鉱山に関する資料が展示されています。

ネット等でよく紹介されている建物の写真は増築部分で、本体はこちらの平屋部分のほう。

本館の入口近くに展示されていた金庫に郵便マークが。
郵便物の保管に使われていたのでしょうか。

旅館時代の看板。

館内は部屋だけでなく、廊下も含め、所狭しと多くの郷土資料が展示されています。

こちらは宿泊者用の客室。
右下に写っているのは足踏み式ミシン。懐かしい~。

これ、なんだかわかります?

アイスクリーム製造器です。
右隣にあるのはアイスキャンディーを作る器。

こちらは洗濯板。
昔は、タライの上でこの板を使って洗濯物をごしごしと洗っていたのです。

右にある四角いのは洗濯機。
水を溜めてただ回転するだけのシンプルなもので、すすぎ終わったら、右上部にあるロールの間をぐるぐると手回しで洗濯物を通して脱水をする仕組み。

今やボタン一つで、乾燥までしてくれるのだから便利になったものです。

鴻之舞鉱山に関する資料を集めたコーナーは奥にあります。
中央には鉱山街全体の模型が。

当時の鉱山内の様子。

こちらは鉱山で採掘された金鉱石。
所々金色に輝いています。

全盛期の鉱山街の様子。

ルパン三世の原作者、モンキー・パンチこと故加藤一彦氏も子供の頃、鴻之舞に住んでいたそうです。

施設を管理している保存会の方が、ボランティアで館内の案内や展示品の説明を丁寧にしてくださるので、鴻之舞鉱山含め興味のある方には是非行ってもらいたい資料館です。

ただし、ゆっくり見ると半日はかかるので、時間に余裕を持っていったほうがよいでしょう。

(続く)

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