根室国後間海底電信線陸揚施設

根室市を流れるハッタリ川の河口、ハッタリ浜と呼ばれる海岸沿いに古びた施設があります。

根室国後間海底電信線陸揚施設

根室国後間海底電信線陸揚施設


かつて、根室と北方四島の国後島を繋ぐ海底ケーブル(約38km)の陸揚施設として使われていた建物の遺構で、明治時代に旧逓信省により設営されたとされています。明治30年代、英米の密漁船対策やロシアの東漸政策への対策として千島列島の警備強化が必要となり、通信連絡手段の確保のため、北海道から択捉島蘂取(しべとろ)村までの電信線架設事業が明治29年から2ヶ年計画で実施されました。

明治30年の開線当初は「標津村三本木~国後島ノツエト崎」「国後島アトイヤ岬~択捉島丹根萌」間を海底ケーブルで結んでいましたが、流氷により両海底ケーブルが相次いで断線したため、翌々年廃止に。
明治33年に「根室村ハッタラ~国後島ケラムイ」、「国後島白糠泊(しらぬかとまり)~択捉島丹根萌」間に海底ケーブルが敷設し直されました。

施設は東西約3.8m、南北約5.9m、高さ約3.7mの鉄筋コンクリート造り平屋建てで、2室のうち、奥の部屋に海底ケーブルの陸揚げ口があります。

根室と北方四島を結ぶ電信線

根室と北方四島を結ぶ電信線


陸揚庫は戦後長く沿岸漁業者の倉庫になっていましたが、北方領土が日本の領土であることを国内外に発信していくことが重要であるとして、2013年(平成25年)に根室市は施設と土地を所有者から購入。保存・整備を進め、案内看板や説明板を設置。国の登録有形文化財(建造物)への登録に向けた取り組みを進めています。

〔追記〕
2021年7月16日、国の文化審議会が当該施設を登録有形文化財(建造物)として登録するよう文部科学大臣に答申しました。北方領土に関連する建造物が国の文化財として登録されるのは初となります。

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