ボッケは、地中から泥がガスと共に吹き出している「泥火山」のことで、アイヌ語の「ポフケ(煮え立つの意)」に由来します。北海道では阿寒湖畔の遊歩道沿いにあるものがよく知られていますが、弟子屈町の硫黄山の周辺でも見ることができます。
地表面から吹き出す硫化水素ガスのため、周囲は草木も育たない不毛地帯となっています。
人気がなく、周囲は硫化水素臭と蒸気が立ちこめていて、少し不気味な雰囲気。
ボッケ。
近くにはエゾジカの骨が散乱していました。
複数体あり、どちらも頭部から胴体部分はきれいに残っていますが、脚の部分は付近に散乱していました。冬も温かいこの場所で一生を終え、その後、キツネのような小動物が屍を食い散らかしたのでしょうか。
周辺を散策していると人工物を発見。
近づいて見てみると、錆だらけの鉄製の管が地面から突き出ていました。
鉄管は地中へと続いています。
硫黄山はかつて鉱山として採掘が行われていたので、鉱山関係設備が埋まっているのかもしれません。
管の中を覗くと濁った液体が動いているのが見えます。
液体の中に手を入れてみると熱い。温泉が湧いているのか、あるいは雨水が溜まったものが地熱で温められたものと思われます。
このボッケは山奥にあり、訪れる人は殆どいません。代わりに羆が生息しているので、行く際には最低でも熊除けの鈴は持参したほうが良いでしょう。